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追悼🕯️ヴィクトル・リャードフさん

9月8日の晩、とても悲しい知らせが入りました。

私の友人、第2回浜松国際ピアノコンクールの優勝者ヴィクトル・リャードフさんが亡くなりました。

私は彼のピアノに魅了され、知り合って28年以上親しく交流を続けてきました。

私がモスクワ音楽院の留学から帰国した後、モスクワに行った時はいつも空港まで迎えに来てくれました。

毎年のようにリサイタルやマスタークラスで来日されていたですが、来日時はハードスケジュールの中でもいつも友人達を交えて楽しく過ごす時間を作ってくれました。

2020年コロナ禍で国際モスクワ音楽オンラインコンクールが立ち上げられた時も、彼は「あなたは素晴らしいピアニストだから私達と一緒に仕事してくれませんか」と私を審査員の一員として招待してくれました。

コロナ禍以降は会えない日が続いていましたが、よくメッセージを送ってくれ、お互いを励まし合ってきました。

ようやく今年7月にマスタークラスで来日できるようになったのですが、彼は体調を崩して入院してしまいマスタークラスをキャンセルせざるを得なくなってしまいました。

それでも彼は「絶対来日する」と強い意志を持って8月に来日し、ピティナ・ピアノコンペティション全国大会で審査員を務めました。私も付き添いし、できるだけ彼のサポートをしてきました。

「私はタチアナ・ニコライエワの弟子です。彼女は1993年サンフランシスコでコンサート中に倒れ、それから程なくして亡くなった。私は彼女の意志を継いでいます。私は体調がどんなに悪くても、彼女のように最後まで音楽の仕事をやり遂げます」

彼の強い精神力とプロフェッショナルな姿勢に私は涙が止まりませんでした。

J.S.バッハ「主よ、人の望みの喜びよ」

モスクワに戻ってからわずか2週間での悲報。

彼は私にとって家族のような大事な友人です。まだ彼の死を受け入れることができません。本当に悲しい。

3月に教室のスペシャルアドバイザーに就任してくれ、7月から定期的に来日して教室の選抜生徒さん達にアドバイスレッスンを行う約束をしてくれていましたが、叶わぬ夢となってしまいました…

知的でユーモアセンスがあり、紳士的で日本人以上に礼儀正しく、多くの人に愛される人柄でした。

葬儀の日から今日で一週間…

彼は偉大なピアニストなので、モスクワではメディアでも死去のニュースが大きく報じられたそうです。

彼の冥福を心から願っています。

2006年11月大阪でのリサイタル

リャードフさんは自分のコンサートやCDの演奏を残したいという願いでYouTubeに自身の演奏を公開してきました。

現時点で81本のビデオ、オーディオがあります。是非チャンネル登録して聴いて下さいね。

https://youtube.com/@victorlyadov7168?si=Cq4MSKW1fvAlmcUl


今年はいろいろなことが重なってブログやSNSの更新が滞ってしまい、申し訳ありません。

もう少し落ち着きましたら、4月にアゼリアホール(池田市民文化会館・大ホール)で開催した教室の発表会について、生徒さん達が1位、3位に入賞したコンクールについてもブログに書いていくつもりです。

生徒さん達からお預かりした写真も掲載していきますので、もうしばらくお時間を下さい。